「AIで経営を回す」と言うと、大がかりな仕組みを想像されるかもしれません。うちも最初はゼロからでした。株式会社MICOTOは、自社の経営そのものをAIエージェントの組織で回す「AI経営本部」を毎日使っています。よく「何から始めればいいのか」と聞かれるので、私たちの最初の30日を、順番のまま書きます。
いきなり全自動を狙わない
最初にやりがちな失敗は、「全部AIに任せる」を目指すことです。これはまず続きません。私たちが決めたのは逆で、人の仕事を無理に消すのではなく、人が楽になるところから手をつける、でした。
集計、下書き、調査、議事録。この4つは、判断はいらないのに時間だけ食います。まずここをAIに寄せました。初日から体感が変わり、社内の「AIは使える」という空気ができます。この空気が、次に進むための燃料になります。
まず「お金」と「今日やること」から
最初の1週間で立ち上げたのは2つだけです。ひとつは資金繰り。毎日、入金と支払いの見込みをAIが更新し、危ない日を前もって教えてくれる状態にしました。数字を追う作業から解放されると、社長は「どうするか」を考える時間に戻れます。
もうひとつは「今日の決断」です。営業・タスク・日程の中から、その日に社長が決めるべきことを3つに絞り、AIが2択で出す。上の画像がその実物です。選び方の基準はシンプルで、「判断が遅れると一番困るもの」から順に、です。
「人が最後に押す」を最初に決める
仕組みより先に決めたのが、AIに渡さない線引きです。お金を動かす、契約する、大事なお客様に初めて連絡する。ここは人間しかやりません。
メールも提案書も見積もりも、下書きはAIが用意します。ただし送信ボタンは必ず人が押す。この一線を最初に紙に書いておいたことで、かえって安心して任せる範囲を広げられました。任せる怖さは、任せない線がはっきりしているほど小さくなります。
30日でやめたこと
増やした話だけでなく、やめた話も書いておきます。ひとつは手作業の集計。もうひとつは情報の散らばりです。数字も議事録もタスクも、置き場所を一箇所に集めました。探す時間がなくなるだけで、一日はずいぶん軽くなります。
意外かもしれませんが、「AIを増やしすぎること」もやめました。役割ごとにAIを足していったら数がふくらみ、人間の組織と同じ混乱が起きたためです(この顛末は別の記事に書きました)。今は、増やすときに歯止めをかける決まりを設けています。
30日で分かったこと
30日を終えて分かったのは、経営者の仕事が「決めること」にきれいに絞られていく、ということです。資料づくりも集計も下書きも、AI側に移りました。朝にやることは、AIが並べた選択肢から3つ決めるだけ。それ以外の時間を、人にしかできないこと——お客様と会い、約束し、責任を取ること——に使えるようになりました。
この「AI経営本部」は、私たちが毎日実際に動かしている実物です。同じ入り口に興味のある方は、お問い合わせからご連絡ください。導入は30分の実物デモから。動いている画面を、そのままお見せします。