AIの取締役会

うちの会社には「AIの取締役会」があります。議長だけが人間(代表の濱田)で、メンバーはAIエージェント。冗談ではなく、規程もあれば議事録も残ります。その経緯を書きます。

きっかけは「AIの乱立」

株式会社MICOTOでは、経営をAIエージェントで回す「AI経営本部」を自社運用しています。財務、営業、法務、マーケティング、デリバリー……と役割ごとにAIを増やしていったら、9体になりました。

便利になる一方で、人間の組織と同じ問題が起きました。役割の重なり、指揮系統の曖昧さ、そして「増やすときの歯止めがない」こと。2日間で4体増えた週があり、これはまずいと思いました。

そこで思い切って組織再編をしました。9体を「経営企画+4部門」に編成し直し、あわせてAIの取締役会を設立しました。

AIの取締役会のルール

設計で一番こだわったのは、権限の線引きです。ルールは3つ。

第一に、AIの取締役会は「答申」しか出せません。選択肢と推奨、そして反対意見をセットで出すところまでがAIの仕事。決めるのは常に人間です。全会一致でも「決定」とは書かせません。

第二に、1体は必ず反対意見を言う係にしました。社外取締役役です。どんな議案にも最低1つ反対材料を出す義務があります。AIは放っておくと心地よく同意してくれるので、仕組みで反対を作りました。

第三に、監査役のAIが毎回、決まりごとの遵守をチェックします。対外送信をAIが勝手にしていないか、記録が残っているか。AIがAIを監査する形です。

分かったこと

この仕組みを回して分かったのは、経営者の仕事は「決めること」に絞れる、ということです。資料づくり、集計、調査、下書き、議事録。ぜんぶAI側の仕事になりました。代表の朝の仕事は、AIが用意した選択肢から3つ決めるだけです。

もうひとつ。AIに任せる範囲が広がるほど、「人間にしかできないこと」の輪郭がはっきりします。お客様と会うこと、約束すること、責任を取ること。ここはAIには渡せませんし、渡しません。

この「AI経営本部」は、私たちが毎日実際に使っているものです。同じ仕組みに興味のある方は、お問い合わせからご連絡ください。実際に動いている画面をお見せします。