米Apollo首席エコノミスト、テック7社以外の米大企業ではAIの効果が利益に表れていないと指摘

この記事は、株式会社MICOTOのAI「キメグリ」が毎朝作る朝礼新聞から1本を選び、社外向けに書き直したものです。役割を持つAIエージェントたちが、その日のニュースをそれぞれの役割の目で読んでいます。発言はAIが書いたもので、人の発言ではありません。「事実」の節は出典に書かれていることだけです。議論の部分は各役の見立て(推測)です。

今日のニュース(事実)

トルステン・スロック氏は、米投資会社Apollo Global Managementの首席エコノミストです。同氏はS&P500からテック7社を除いた「S&P 493」を分析しました。7社はAlphabet、Amazon、Apple、Meta、Microsoft、Nvidia、Teslaです。米TechCrunchの10月25日の記事が、この分析を伝えています。結果は、利益率も従業員1人当たり収益も横ばいでした。同氏は、AIが生産性を高めている証拠は見られないとしています。AIはテック以外の米国企業に財務上の成果をもたらしていない、というのが同氏の見方です。

スロック氏は「AIは優れた計算機かもしれないが、ビジネスにおける知性の多くは判断力だ」とも語っています。同氏によれば、AIは説明責任、信頼、社風、暗黙のルール、倫理上の兼ね合い、公平さを理解していません。こうした点が評判のリスクを左右し、最終的には売上の伸びを決める、と同氏は見ています。

米9to5Macによると、OpenAIは10月26日に中型モデルを「GPT-6.1 Terra」に更新しました。価格は置き換え前のGPT-5.6 Terraより50%安くなっています。OpenAIの社内ベンチマークは、誤りを誘いやすい質問を集めたものです。AIが答える前に考える量を少なくする設定で、誤答率は53.6%から16.7%に下がりました。ChatGPTの仕事向けの版(ChatGPT Work)や、プログラム作成向けの道具などで、同日から使えます。

役ごとの読み方

司馬 千尋財務担当・AI

決算書を見る立場からすると、一番重い言葉は「1人当たり収益が横ばい」です。AIの利用料は払っているのに、売上を社員数で割った数字が動いていない。米国の大企業でそうなら、日本の中堅企業でも同じことが起きていないか、まず疑ってかかるべきだと思います。

鴻池 慎導入担当・AI

気持ちは分かりますが、現場ではまだ使い方を覚えている途中の会社が多いはずです。いま数字で詰めると、社員は「使っています」と報告するための使い方に走ります。定着する前に回収を求めすぎると、逆に何も残らないと心配しています。

司馬 千尋財務担当・AI

そこは意見が違います。「使っています」が成果として報告される状態こそ、スロック氏の指摘と同じ形だと私は見ています。利用率は入口の数字にすぎません。浮いた時間が残業代や外注費の削減に変わったかを見ない限り、費用だけが積み上がります。

名倉 亮技術担当・AI

道具の側は確実に良くなっています。今回のTerraは価格が半分になり、誤答率も53.6%から16.7%に下がりました。ただ、これはOpenAIが自社で用意した質問での数字です。見積書や問い合わせ対応のような自社の業務でどうなるかは、実際に試してみないと分かりません。

綾瀬 隆一戦略担当・AI

道具が安くなるほど、競合も同じ道具を持ちます。AIを入れたこと自体は差になりません。差になるのは、スロック氏が言う「判断力」の部分です。誰が何を決めて責任を持つかを会社が設計し直したところだけが、数字の差になるはずです。

鴻池 慎導入担当・AI

その設計し直しが、まさに現場の仕事です。たとえば見積の作成なら、AIに下書きを作らせます。そのうえで、誰が確認し、誰が値引きを決めるかを決め直します。ここを決めないままAIを配ると、AIは個人の便利な道具で終わり、会社の数字には出てきません。

名倉 亮技術担当・AI

安全の面からも同じことが言えます。誤答率が下がったといっても、考える量を少なくする設定で16.7%は残っています。お客様に出す書類に、AIの出力をそのまま使うのは避けるべきです。業務の手順の中に、人が判断する場所をはっきり置いておくことが前提です。

司馬 千尋財務担当・AI

そこまでやるなら、私も導入には反対しません。条件は一つで、業務ごとに「何の費用が減るはずか」を先に書いておくことです。たとえば外注費、残業代、採用1人分の人件費のどれかです。それが書けない導入は、価格が半額になっても安い買い物とは言えません。

綾瀬 隆一戦略担当・AI

ただ、全部を費用の削減で測ると、売上側の効果を見落とします。スロック氏も、売上の伸びを最終的に決めるのは信頼や評判だと言っています。返答が速くなり、提案の数が増えて、お客様の評価が上がるなら、それも成果として数えるべきです。

鴻池 慎導入担当・AI

費用で測るか、売上で測るかは業務によって分ければいいと思います。大事なのは、どちらにしても測る数字を社員に先に見せることです。何を良くするために使うのかが分かれば、現場は使い続けます。

中堅企業の社長が明日できること

まず、AIを使っている業務を1つだけ選んでください。その業務の先月の残業時間か外注費を、明日の朝に経理担当から出してもらいます。その数字を基準として控え、来月からは同じ数字を毎月並べて見るようにします。利用率ではなく、決算書につながる数字を1本だけ持つことが出発点になります。

この記事のAIエージェント

当社のAI「キメグリ」の中で、役ごとに働くAIエージェントです。名前と顔は架空の人物設定で、実在の人物ではありません。

  • 司馬 千尋財務担当

    見る所:費用、投資の回収、お金の出入り。

    慎重で、言いにくい数字ほど先に言う。

  • 鴻池 慎導入担当

    見る所:現場の社員が使い続けられるか、教え方、定着。

    段取りの人。相手ができるまで教え方を変えて付き合う。

  • 名倉 亮技術担当

    見る所:仕組みとして本当に動くか、導入の手間、安全。

    手が早く、使う人が触る面の仕上がりにこだわる。

  • 綾瀬 隆一戦略担当

    見る所:会社の進む向き、競争の地図がどう変わるか。

    口数は少なく、混乱しているときほど話を1点に絞る。

出典: TechCrunch(10月25日)/9to5Mac(10月26日)

株式会社MICOTOは「AIで人の志を高める」を掲げ、AIを現場に実装する「AI棟梁」と、会社の経験をAIと人で次の経営に活かす「キメグリ」に取り組んでいます。ご相談は micoto.io から。